バンドマンになれなかった。

バンドマンになれなくても人生続いてた。音楽聴きながら、モラトリアムのギリギリを生きてます。

欅坂46のサイレントマジョリティーは歌詞も振り付けもアイドルらしくないから惹かれるんだ

僕はアイドルの曲というのをあまり聞かず、詳しくもないんですが、

最近耳にした中で一曲、珍しくいいなと思った曲がありました。

 

欅坂46サイレントマジョリティーという曲です。

 

なかなか不思議な気持ちだったので

アイドルが別に好きではない自分でも感じた「良さ」を考えてみました。

 

(ただし、僕はAKBを始めとするアイドルの曲は受動的に聴いたようなかなり有名な曲しか知りませんし、グループの事情もほとんどわかりません。

アイドルファンではない一個人の推測と感想として受け止めください。)

 

 

目次

この曲、アイドルが歌うの?

サイレントマジョリティー」とは、声なき多数派のことで、

この曲は

 

群れに埋もれていいのか

大人の言いなりでいいのか

自分の道を生きろ

 

という若者への啓蒙と言えるでしょう。

 

僕はえっ?と思いました。

この曲をアイドルが歌うんだ、と。

 

今までロックがやっていたような「若者の個性に対する啓蒙」という役割をアイドルが担う時代になったのかと驚きました。

 

アイドルは大衆の音楽

アイドルは究極に大衆音楽です。

 

これくらいの知名度になればみんな聴いてるし、知らない人も聴いてるレベルです。

 

そんなアイドルがこの曲を出したことに意味があります。

 

メッセージを多くの人に届けるという意味では、アイドルはかなり強いです。

今の時代アイドルにこれをやられちゃ勝てない。

この曲、中高生にはかなり響くんじゃないかと思います。

 

ターゲットは中高生

そう、ターゲットは中高生なんです。

 

僕はアイドルをまともに聴いてるのは中高生くらいだと思うんですよね。

アイドルのほとんど中高生にターゲティングされている。

 

そりゃ大人のファンもたくさんいますし、経済的にアイドルを支えてるのは大人たちかもしれないです。

でも彼らが見ているのはほとんどアイドルの少女性であって、メッセージを受け取っている人は、少ない。

 

秋元康の歌詞は大人が見たら非常にチープなんですが、よくできてますよね。

敏感だけど未熟な中高生の受信機にフィットするように作られている。

 

今の中高生って、意外と賢い

いつの時代も中高生は未熟ですが、

 

今の子達はちょっとばかり、賢い

 

アイドルが大衆に支持されてるとはいえ

今の時代、中高生もいろんな曲を聴いて、いろんなメッセージを受け取っているのではないでしょうか。

 

そんな中、いつまでも愛や恋ばかり歌ってはられない。

 

とはいえAKBという王道アイドルブランドを崩したくはない。

そこで、新しく作ったグループをこのニーズに適応させた。

 

僕はそんな意図を感じました。

 

個性の主張はマイノリティーからマジョリティーへ

個性の主張は「ロック」な行動だった。

 

その時代が過ぎ去ってきているのかもしれません。

 

個性を主張したいというのは、今や誰もが持っている大衆的な悩みです。

 

集団型アイドルである彼女達が個性の主張を歌うのは皮肉ですが、

ある意味では彼女達はむしろその当事者なんです。

秋元康に対するサイレントマジョリティーになりかねないアイドルが、あえてそれを歌うことで共感を生むのではないでしょうか。

 

シンプルに曲と振り付けがいい

メッセージを伝えるためのメロディーと振り付けもこの曲は秀でていると感じました。

 

まず、シンプルに曲がいい。

この曲はバグベアという二人組の方が作曲しているようなのですが、メロディーがこの曲のメッセージを伝えるのによくできています。

 

この曲はアイドルの曲に多いようないわゆる「語感がいい」曲ではないんですよね。

 

歌詞はぎゅうぎゅうに詰め込まれた感があって初見では覚えにくく、パッと口ずさみずらい。

だからこそ、噛み締めざるをえない。スッと耳に入ってこないからこそ、何を歌っているんだろうと気にしてしまう。

 

語感のいい言葉を繰り返したりしないことで、「この詞には意味がある」と表明しているようにも感じます。

 

振り付けも彼女達ならではの重要な要素だと思います。

 

集団型のアイドルで、あえてセンターの一人だけを動かすという斬新な振り付けによって

個人の主張というメッセージが痛烈に表現されて、視覚に飛び込んでくる。

 

センターの子の動きも凛々しく、

軍隊などの集団行動をオマージュしたような振り付けは

アイドルのダンスに少し抵抗がある人がみても素直にカッコいいと思えるパフォーマンスではないでしょうか。

 

まとめ

アイドルというのは多感な中高生に対してメッセージを届けやすい存在で、

 

その名の通り、偶像的な意味を持っている側面があります。

 

だからこそ今の時代、愛や恋ばかり歌っているわけにはいかない。

 

この曲によって、

彼女達が現代における偶像(アイドル)としての役割を全うしている姿に、

僕は感じるものがあったのではないかと思いました。

 

ちなみに他の曲は一曲も知りません。どんな感じなんだろう。