バンドマンになれなかった。

バンドマンになれなくても人生続いてた。音楽聴きながら、モラトリアムのギリギリを生きてます。

『ファイアパンチ』のあらすじ読んだけど、こいつら"首を切断"しすぎじゃない?【祝福者の「再生」を考察】

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皆さん『ファイアパンチ』という漫画をご存知でしょうか?

このマンガがすごい!のオトコ編にも選ばれてて、今ノリに乗ってる漫画です。

1話がなかなか衝撃的で話題になりましたよね。

僕もその1話と後の数話だけ読んで、その後読むのをやめてしまったんですが、

最近ふと気になってあらすじを見た後、
また読み直したら気になることがありまして、



…こいつら首切断しすぎじゃない?

読んだことがない方からしたら、
えぇ、どういうこと…って感じだと思いますが、ちょっと聞いてください。



『ファイアパンチ』のあらすじ


住んでいた村が兵士に壊滅させられるという悲劇から

復讐に身を焦がす主人公は、

タイトルの通りその身を包む「炎」を操って、

行く手を阻む敵をバッタバッタとなぎ倒し…



…違います。
この主人公、ぜんぜん炎操れてません。


ファイアパンチの世界には「祝福者」と呼ばれる、
炎を出す、鉄を生み出す、電気を出すといった超人的な能力を持った者達が登場します。

そして「ファイアパンチ」というタイトルからすると、
主人公は炎を操る能力者なんじゃないかと思ってしまいますが、違います。

主人公アグニは「再生」の祝福者

ファイアパンチの主人公アグニは「祝福者」ではありますが、
炎を操る能力ではなく、肉体が傷ついても「再生」する能力を持っています。


では、なぜアグニの体が炎に覆われているのか。

それは、アグニの村を壊滅させた張本人でもある「ドマ」という祝福者によるものです。

ドマの能力による炎は、対象を燃やし尽くすまで消えないという性質を持っていて、
その炎がアグニに襲いかかったのですが、アグニの体はどれだけ燃えても再生してしまいます。

そのため、燃えては再生し、燃えては再生し…といった具合で、
体が常に焼かれる苦しみを味わいながらも、ギリギリ生きてます。かわいそう。

しかも、全身がそんな危ない炎で包まれてるものですから、アグニは迂闊に物も触れません。
何かに触れば火が燃え移って灰になるまで消えないので、道具や乗り物も使えませんし、服も着れません。基本全裸。
大事なところは、火が隠してくれてるけど。かわいそう。

と、ここまでは話題になった第1話でもわかる内容ですので、知っていた方もいると思います。

しかし、その後、

話が進むに連れて、そんなアグニの前には様々な「祝福者」が現れるわけなんですが…

いや、「再生」の祝福者多いな。


(作中でも8話で指摘されてます。しかし、指摘してる奴も「再生」の祝福者。)

現時点までで、登場した「再生」の祝福者を列挙してみると…

主人公アグニ、1話目で死ぬ妹のルナ、謎の協力者トガタ、
妹に顔似た兵士ユダ、の部下サイモン、の部下イワン…

の6人です。

作中で目立つ祝福者は18人ほどですので、およそ3分の1が「再生」祝福者ということになります。多いな…。

まあ怪我してもすぐ治って、飢えもない再生祝福者は他に比べて生存率も高いでしょうし、合理的と言えば合理的なんですが…


はい、ここで問題。

Q.「再生」能力を持ったキャラクターがたくさんでてくると、どうなるでしょうか。


A.命が軽くなります。

ファイアパンチのちゃんとしたあらすじ(ネタバレ)

主人公アグニは、ドマによって村を燃やされ、自分も火を点けられますが
燃え続ける苦しみの中でなんとか意識を保ち、炎に覆われたまま動けるようになります。

ドマへの復讐心を燃やして放浪するアグニ。
すると、自分の村を壊滅させた国の兵士がトラックに乗せて奴隷を運んでいたので、ぶん殴ります。ファイアパンチ。全員燃えます。

しかし、この一件でアグニに捕獲命令が下されてしまいます。

本人はそれを知らず、その後も放浪していると、
通りかかった女兵士「ユダ」(再生祝福者)に首を切断されます。

ユダはアグニの炎がドマの能力によるものだと気づき、アグニの首を持ち帰ることにします。
持ち帰られた先で、アグニは隙をついてなんとか再生します。
が、そこにドマが現れまた燃やされます。
それでもアグニは死なないので、ユダは首を切断して列車で海に運び、投げ捨てることにします。

列車ではユダの部下「イワン」(再生祝福者)がアグニの首の番をしていたのですが、
そこに謎の女「トガタ」(再生祝福者)が襲撃、イワンの首を切断します。

その音を聞いて、イワンの師匠「サイモン」(再生祝福者)が駆けつけますが、
戦闘の末、トガタがイワンの首を切断します。

そのまま進んでくるトガタを、ユダは待ち伏せして攻撃しようとしますが返り討ちに遭い、
トガタがユダの首を切断します。ハットトリック

トガタはアグニの首を回収し、列車を出てアグニを解放します。
すると、先ほど切断された首から再生したユダが追ってきました。
アグニとユダが対面して会話しているところで、トガタがユダの首を切断します。

結局再生したユダは解放されて、国に帰ります。
トガタはアグニの復讐に協力しつつ、その裏で国に帰ったユダにも接触。
こちらには、協力してアグニを殺そうと持ちかけます。

トガタの手引で、復讐に向かうアグニですが
そこにはユダが用意した3人の祝福者が待ち構えています。

死にかけまくりながらも、なんとか一人目を倒すアグニですが、
二人目の祝福者の能力によって上空に飛ばされ、大気圏外で塵にされそうになります。

アグニは自分で首を切断して地表に向かって投げ、落ちてきたその首から再生します。
腕もちぎって投げつけることで、二人目も倒します。三人目は逃げます。

アグニを殺すことも出来ず、この戦いで火が街に燃え移って多くの国民が死んでしまったため、
ユダは生きる意味を失い、アグニがまとっている炎で死なせてくれと懇願します。

アグニは最初それを拒否しますが、ドマも火災に巻き込まれて死んだということを告げられると
自分も復讐という生きる意味を失って呆然となり、ユダに炎を触ることを許してしまいます。

手から移った炎は、ユダの体をだんだん燃やしていきます。
しかし、すんでのところで突然現れた何者かによってユダの首が切断されます。

ユダの首を切断した女(?)は、この世界を荒廃させた張本人である氷の女王だと名乗ります。
何故こんなことをしたのか、とアグニが問うと
氷の女王は、気まぐれだと答えます。

全ての悲劇の元凶が、ただの気まぐれだったということに怒ったアグニは
殴りかかろうとしますが返り討ちにされ、氷の女王はユダの首を持って去ってしまいました。

アグニはドマへの復讐心ではなく、氷の女王への殺意を胸に燃やします。

つづく。

本当はもっと面白いからちゃんと読もう

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トガタの目的とか、アグニの葛藤とか、ビッチ女とかブリーフ男とか
いろいろもっと掘り下げたいところはあるんですが…

いや、ちょっと…


首切断しすぎぃ!!

再生する能力者がいっぱいいるからって、ポンポン首刎ねすぎ。戦国時代かよ。

ストーリーや世界観は本当に面白いんですが、
なぜこんなに首が切断されまくるのか、ちょっと気になってしまったので、他の漫画と比べて考えてみます。

漫画『亜人』と比較


同じく、「再生」する能力を持つ「亜人」という存在がたくさんでてくる漫画がありますので、
両者の違いを比較しながら、ファイアパンチにおける「再生」の特徴を考えてみましょう。

再生の「スイッチ」と「死」

死んだらリセットの亜人


亜人は死ぬと再生して生き返ります。そのため基本死にません。
逆にどれだけ重傷を負っても、死ぬまでは再生しません。
本人の死が再生のスイッチになっているため、手足を損傷したらすぐに自殺して再生を行う者もいます。
そのため亜人に対抗するには「即死」させるのは有効な手段ではなく、手足の切断や麻酔などで動きを止めることが優先されています。

死ぬまで常にオンの祝福者


一方、再生の祝福者は体が損傷した瞬間から再生がスタートします。
手足を切断されても、少ししたら歩き始めますし、消えない火を点けられたら燃えたまま生き続けます。
逆に重度の損傷を受けると、再生の祝福者死にます
実際、作中で首を切断されても再生できているのは、
アグニ・ユダ・トガタくらいで、イワンやサイモンはトガタに首を切断されて死んでいます。
そのため再生の祝福者に対しては、細かい傷を負わせるよりも首を切断するなりして「即死」させることが有効打となります。

大きな損傷を与えたり、酸素を与えないことで再生が遅くなることも示唆されているので、
とりあえず首を切断して動きを止めることは、アグニのような高い再生能力を持った祝福者に対しても効果があります。

亜人」と「断頭」の恐怖


亜人』には、「亜人首を切断されること」の恐怖が語られるシーンがあります。

なぜなら亜人は死んだ時に、残った中で一番大きいパーツから再生するためです。
首が切断されると、頭から体が生えるのではなく、体から頭が生えます。

切断された頭の方は自分が死んでいくのを感じますが、残った体の方からは記憶を引き継いだ「自分」がまた作られます。
もう一人の自分が作られているのを見ながら、果たして「自分」とは何なのかと考えながら死ぬ。
そんな気持ち悪さを味わいたくないために、亜人は断頭を恐れるのです。

再生の「核」


そんな「亜人」とは異なり、
再生の祝福者首を切断された場合、そのまま死ぬか、頭から体がにょきっと生えて再生します。
作中屈指の再生能力を持つアグニが、顔を縦に切られても再生しているので明確な場所はわかりませんが、
頭の付近(おそらく内部)に再生の「核」があると思われます。

頭が複数生成されることは絶対にないため、亜人のような恐怖を抱く必要はなく、
ユダは何回断頭されても平然としているし、アグニは自分で頭をちぎって投げたりするのです。

まとめ:こんなに首を切断する理由は一応あった。

再生祝福者ばっかり出てくるのも、そいつらが首を切断されまくるのも、
よくよく考えれば合理的なことだったわけです。

「再生」する能力というのは、ありふれた設定ですが、
細かな違いによって、作中での扱いが変わってくるのは興味深いですね。


ひさしぶりに一気に読んだら、思わぬところが気になってしまいましたが、
「ファイアパンチ」かなり面白いです。

"首を切断"って言いたかっただけのあらすじじゃ
伝えきれてない部分ばかりなので、ぜひ読んでみて欲しいです。