バンドマンになれなかった。

バンドマンになれなくても人生続いてた。音楽聴きながら、モラトリアムのギリギリを生きてます。

可愛すぎる小松菜奈の彼氏気分になれる?never young beachというバンドのMV戦略がすごい

いま、Youtubeで公開から一週間ほどで40万再生と、急激に再生回数を伸ばしている動画があります。

それがこちらです。
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まるでスマホで撮影したような縦画面で、しかも映っているのは、女優の小松菜奈さん。

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スターダストプロモーションホームページより)

大人気女優のプライベート映像が流出してしまったのでは!?
と、パッと見だと思ってしまいそうですが、

これ実は、never young beachというバンドのミュージックビデオなんです。

この巧妙なMV戦略とnever young beachというバンドの魅力について語ります。



小松菜々のプライベートか!?と思わせるリアリティ

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この動画7分30秒もあるんですが、実は3分もないくらいの短い曲なんです。

動画を再生してみても、なかなか曲は始まりません。

そして無邪気な小松菜奈さんの姿を見ている間に、
いつの間にか曲が始まっていて、いつまにか終わっている。そんな感じです。

動画は縦画面でブレブレ、特に何かストーリーがあるわけでもない。

でも小松菜奈さんの演技がめちゃくちゃ自然で、本当にプライベート映像のようなので、つい見てしまうんですよね。
自分の彼女かと錯覚してしまうレベルなので、ファンの方にはたまらないでしょう。

そりゃ再生回数がグングン伸びるわけです。小松菜奈パワーすごい。
欠点としては、小松菜奈パワーが強すぎて肝心の曲が頭に入ってこない可能性があることでしょうか…笑
それでもこのMVは、never young beachの知名度をかなり押し上げたことでしょう。

とはいえ、いきなりこんな大胆なMVを作ったわけではありません。

実は前にも似たようなMVを出していた

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現在、never young beachのMVの中で、一番再生回数が多い「明るい未来」という曲です。

先程の「お別れの歌」と比べると、バンド本人も映ってますし、MVとして綺麗にまとまってますが、
二人の仕草がとても自然でプライベートの映像のように感じてしまいます。

余談ですが、この彼女役のkanokoさん、最近カントリーマアムのCMにも出てます。
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曲の内容もあいまって、幸せそうでいいMVですよね。never young beachも、このMVで少し手応えを感じたのではないでしょうか。

この「明るい未来」の成功があったからこそ、
半年ほど前に出したアルバムに入っていて新曲でもない「お別れの歌」で、あのMVを制作する決断をしたのではないかと思います。

目論見通り、大成功ですね。

「お別れの歌」と「明るい未来」はfam famというアルバムに収録されています。

まるで熟年夫婦のような、爽やかさと安定感

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しかし、「お別れの歌」にしろ「明るい未来」にしろ、
ここまでリアルな映像を使っていると、さもすれば生々しいMVになってしまいそうなものです。

同じ素材を使ってても、

もし、My Hair is Badの曲だったら、二人の関係に何かあったのか勘ぐってしまうし

もしクリープハイプの曲だったら、二人の夜の事情を考えてしまうのでは…。

そこを、ここまで爽やかに仕上げてくるのがnever young beachの良さなんです。

"今度会ったらセックスしよう"(HE IS MINE/クリープハイプ )とかじゃなくて、

"例えば僕らが死んでしまっても あっちでも仲良くやろう"(明るい未来/never young beach)と歌う、この安定感

生々しくてドロドロした恋愛ソングに辟易している時に聴きたいバンドです。

ポストはっぴぃえんど?70年代を匂わせる音楽性

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この熟年夫婦を通り越して、老夫婦くらいの安定感は音楽性からも滲み出てます。

ここは最近のシティポップブームの中でも、never young beachは特に70年代の古き良きJ-POPと洋楽を混ぜ合わせたような傾向が濃いですね。
ポストはっぴぃえんど、サニーデイ・サービスなどとも言われていますが、本人達は古い音楽と現代的な部分をうまく混ぜ合わせることを意識しているようです。

ただの懐古主義じゃなくてモダンなギター・ロックとしても成り立つように。

このバンド、実はギターが三人もいるんですが、全然ガチャガチャしてない。
このギター三本の絶妙なアンサンブルが今っぽくて気持ちよく、レトロな歌メロを現代版ポップに仕上げています。

あと、むっちゃいい声。
ハイトーンボイスに飽きてきたところにいいですね~。

まとめ

少し前に、こんな記事
bandman-naren.hatenablog.com

を書きましたが、売れるための戦略という意味ではnever young beachは非常に上手い

曲のレトロ感もさることながら、新譜を7インチレコードでリリースしたり、アルバムをカセットでも発売したりと、おじさん世代の心を上手く掴みにきてます。

と思えば、
「明るい未来」や「お別れの歌」で、リアルで微笑ましいカップルのMVを作って、小松菜奈さんのパワーも借りつつ若い世代の目も引いていく。

never young beach、シティポップブームに乗っかってるだけじゃない、本気で売れるバンドです。